離脱の重篤期を脱出。腕は掻き傷だらけだが、顔や首周り、体幹部はきれいになり、眉毛も生えてきた。

体の中が火事だ
熱い熱い熱い熱い…


その日のうちに薬は全部ゴミ箱へ。けれども、代わりの治療法が見つかったわけではありません。慎吾くんの全身は強い炎症で覆われ、顔はパンパンに浮腫んでまん丸に。
「すごかったですよ。写真を見ないと本当の顔がわからないぐらい。全然別人。リンパ液が噴き出して貼りついて、トイレがやっと行けて、あとは寝てる状態。赤ちゃんみたいにご飯を口に入れてあげて、かゆがるから夜中もずっとさすってあげて…」(薫代さん)

5年生の1学期が始まっても、慎吾くんは大好きな学校へ行けませんでした。
「お風呂から出ると、『お母さん、体の中が火事だ』って言うんですよ。『熱い熱い熱い熱い…』って。何とかしてくれって言うんだけど、何ともできなくて…。家族のいないところで毎日泣いてました」

薫代さんは自分の判断を呪いました。
「慎吾は私に言われるままに、あんなににがい薬も飲んで、一生懸命やって、その結果がこれなのかと思ったら、申し訳なさと歯がゆさと…。あの頃は、涙が枯れないのが不思議でした」

そんなある日、姉の麻衣ちゃんが手紙を手渡してくれました。
『お母さんへ 最近寝てないみたいだね…・略・…お母さん、自分のせいだって思ってるみたいだけど、それは絶対ちがうからね。確かに責めるような言い方をしたけど、お願いだから自分のせいなんて思わないで…・略・…弱気にならないで、前向きでいようよ。力になるからね。頑張ろう!お母さん、ファイト!』

Back Next