自宅温泉湯治卒業式の日。スベスベで柔らかな子どもらしい肌。どこにもアトピーの症状は残っていない。
 
思いっきり泣いて笑った
初めての育児


「症状が出ているときって、悲しくなりますよね。でも、そういうときこそお母さんは笑顔で接してくださいとアドバイスを受けていて、それって精神のコントロールが難しいんです。かゆがって辛そうにしていても代わってやれない。かわいそうで陰で泣くばかり。だから寝かせた後に主人に気持ちをぶつけることもよくありました」(明子さん)
「大変やなぁと、分かったようなことを言っても怒られる。頑張れと言えば、これ以上どう頑張れっちゅうねんと怒られる。肯定しても否定しても怒られる損な役回りですわ。笑って聞くだけしかできひんのです。僕はフォローに徹すると決めたんですから」(郁男さん)
 それぞれに辛さを抱えていた湯治期間だったようです。
「でもね、辛さばかりを口にするんじゃなくて、人様の何倍も子どもとのスキンシップの時間が多くとれるとか、体を温めることで健康は守れるという知識を得たとか、苦しいよりも楽しかった、得したなと、振り返ることができるんですよ」(郁男さん)
 アトピーは治せる病気。その行程は辛く長いかもしれませんが、だからこそ、治せたときの喜びが大きく膨らみます。
 笑顔一杯でご両親が駿介くんのアトピー奮闘記を語り終わられると、「あーとぉーね。(ありがとね。)みんなでしゅんちゃんのことはなしてくれて、あーとぉーね。こんばんは」と、可愛いスピーチ。気が付けば、冬の空は暮れかけていました。



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