![]() |
![]() |
|
|
相変わらずかゆみは強いものの、夜眠れるようになって、2学期からは遅刻せずに通学できた。この日、3カ月後に良くなっていなければ野球を休むことに。 |
||
| ステロイドを否定する 医者の最終手段とは 「皮膚科の開業医なんですけど、ステロイドは良くないっていう先生で、『ステロイドを塗ってると、こうなっちゃうよ』って、離脱の写真を見せてくれたんです」(英子さん) 初めてステロイドの副作用を教えてくれた皮膚科医の指導の下、慶彦くんはステロイドなしの治療を始めます。治療法は保湿剤を塗りながらの、いわば脱・塩分療法――。 「(アトピーは)『塩分を摂りすぎるからそうなるんだ』って。スナック菓子とカレーと味噌汁、あと給食のおかわりも禁止されました。でも、全然良くならなくて、1年ぐらい通ったあとで、『とりあえず1度きれいに治しましょう』ってステロイドを出されたんです。じゃあ、塩分が悪いんじゃなかったのかって……」(英子さん) 体育のプールはいつも見学。汗をかくとかゆみが強くなるため、夏休みも外で遊ばず、味の薄い食事で我慢させてきたこの1年は何だったのか。病院を見限った英子さんは、自分で治療法を探しに書店へ。そこで見つけたのが『アトピー性皮膚炎の治し方がわかる本』(小川秀夫著/かんき出版)だったのです。 「パラパラと見てたら、あ、この写真はあの先生が持ってた写真だわって。買って帰って読んでみたら、そうよ! これよ! みたいな(笑い)。初めて納得できたんですね」 1年前、脱・塩分療法を受けるきっかけになった写真は、小川会長の本に載っていたもの。その皮膚科では、ステロイドの副作用を説明するサンプルとして使っていたのです。 弟くんたちの症状は 温泉でたちまち消退 温泉湯治なら、薬のような副作用はない。古くからその効果が認められてもいる。お父さんの隆男さんも、おばあちゃんも、温泉湯治自体に異論はありませんでした。ただ、周りにたくさん温泉場がある土地柄だけに、二の足を踏む気持もあったようです。 「お父さんは『近くに温泉があるのに、わざわざ買わなくても』って言いましたけど、いくら近くても、毎日2時間連れて行くのは大変ですよね。人前で裸になれる状態じゃなかったですし、本人も人目が気になるようでしたから、家で入れるのは助かります」 ご両親と3人兄弟がオムバスを訪れたのは96年6月2日。慶彦くんだけでなく、年子の弟・徹郎くんの肘にも軽い炎症が、生後4カ月になった3番目の奨太くんの顔には乳児湿疹が出ていました。 「下の二人はそんなにひどくなかったから薬もつけてませんし、一緒に温泉に入ってるうちに治ってしまいました。慶彦のときはオムツかぶれでも何でも、すぐに薬をつけてましたからね」 湯治開始は96年6月11日。たまたま浴室が広かったため、洗い場にもう一つ浴槽を置いて循環ろ過器をつけ、温泉専用にしました。こうすることで、抵抗力の弱っている慶彦くんが、感染症にかかるリスクを減らすことができるのです。 |