拓斗くん
最も大きな離脱は中3の春に噴き出した。修学旅行のあとで、壮絶なかゆみとともに全身の皮膚が浮き上がってボロボロはがれ、やむなく休学へ。

 

学校よりも何よりも
大事なのは体のこと


 アトピーのことも湯治のことも、あらかじめ話してあったため、担任の先生は、「学校に来たくないときは来なくていいよ」と言ってくださったのですが……。
 1学期の中間テストはもう目の前、来春には高校受験が控えているのです。心配になった久美子さんは、このときもカウンセラーに電話しました。
「あのときは相当落ち込んでいらっしゃいました。あまりご本人を刺激しないよう、『学校に行きなさい』とはおっしゃらずに、あたたかく見守ってくださいと申し上げました」(山本カウンセラー)
 かゆみのつらさも眠れないしんどさも、身をもってくぐり抜けてきた久美子さんです。それでも朝になると、「今日は学校どうするの?」「今日も行かないの?」が口をついてしまい、あとになって後悔する毎日。
 このまま休学が長引いて、ずるずると不登校にでもなったらどうしよう。そんな久美子さんの心配をよそに、拓斗くんはかゆみが治まってくると何事もなかったように学校へ。29日間休んだあとの登校も、「そんなに抵抗はなかった」と言います。  アトピーのことや1カ月近く休んでいたことを、とやかく言うような友達は一人もいませんでした。
 長男らしいおっとりタイプの拓斗くん。周りのことをあまり気にしないマイペースな性格が幸いしたようです。


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