拓斗くん
膝の裏を掻き壊し、首から胸に汗疹がパラパラと出ているが、顔はきれい。拓斗くんの場合は、なぜか湯治の前半に大きな離脱が出なかった。
育民くん
背中、首回り、胸を中心に離脱が噴き出してきた。皮膚はゴワゴワして象の皮膚のようになり、たまらなくかゆかった。

母子ともにアトピー
と診断される

 最初は春先にしか出なかった炎症が、季節の変わり目ごとに出るようになり、成人式を迎えるころには季節を問わず出てくるように。フルコートを買いに薬局へ行く回数は増えていましたが、それが薬に対する依存性の現れとは思ってもみませんでした。
「あのころも額とか目の回りに薬をつけてたかな」と尚喜さんが回想するのは、お二人が結婚した17年前のこと。「分かっていれば止めましたけど、私もまったく薬に対する知識がなかったんです」。
 結婚の翌年に拓斗くんが誕生しますが、久美子さんの症状は薬で抑えられる段階。長年の薬信仰はまだ覆りません。
 初めてアトピー性皮膚炎という言葉を聞いたのは、拓斗くんが生後7、8カ月に入ってからのこと。小さな背中がボコボコと肥厚してガサガサになり、届かない手で掻きむしろうと身をよじる拓斗くんを抱いて、久美子さんは近隣にある皮膚科を片っ端から受診。そして、母子ともにアトピー性皮膚炎という烙印を押されてしまったのです。
「アトピーは治らないから、上手く付き合っていきましょうって言われましたね。ただ、薬を塗り続けてさえいれば落ち着いているものだと思ってましたし、副作用のことなんか全然考えてませんでした」
 皮膚科では、久美子さん用と拓斗くん用に別々の軟膏を処方。ラベルのない容器に入った軟膏は即効性があり、かゆがって泣いていた拓斗くんが、薬を塗ってあげればじきに泣きやんで、機嫌よく眠ってくれるのです。「治った」と思っても、またしばらくすれば出てきてしまうのですが――。


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