
ひとつ山を
越えたのに
5カ月もの間続いた離脱。その長さが由起子さんの精神状態をノイローゼ一歩手前に追いやっていました。この先ずっと出口は見えないままなのかと真暗な気持ちで過ごしていたある日、ほんの少しずつ、肌の状態が良くなりだしてきたことに気づきます。
お母さんに絵本を読んでもらったり、お茶を飲んだりしながら、明沙ちゃんも温泉に長く入っていられるようになっていました。気がつけば1時間近く、そんな日も多くなりました。「お風呂は嫌いやったよ。だって熱いもん」。そう振り返る明沙ちゃんですから、幼いながらも"努力と忍耐"でこなしていたのかもしれません。
しかし、良くなった症状が1カ月も続かないうちにブドウ球菌による感染症にかかり、またドンッと状態は落ちてしまいます。腕も足も皮膚が細かくめくれ落ち、顔も掻き傷でいつも血に覆われたよう。一度上向きかけただけに、その時のショックは大きいものでした。
「こんな時に、もしも何か病院にかからなければならないような病気をしたらどうしようって、絶えず不安でした」(由起子さん)
「即入院と言われかねない状態でしたからね」(玉城カウンセラー)
カウンセラーに相談したのち慎重に日々を過ごし、この感染症が退いていったのは3カ月ほどしてから。気がつけば、クリスマスもお正月も過ぎていたというぐらい、明沙ちゃん中心に中西さんご一家の時間が回っていたのです。
海人くんも麻伽ちゃんも、言い聞かせなくてもすべてを分かってくれていました。「明ちゃんが治ってから」。家族全員が口に出しはしないものの、同じ思いで動いていたのでしょう。
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