体の各所にあった炎症の跡がすっかり消え、見た目にはアトピーが完治したように見えるが、肌の色に熟成が見られない。

免疫抑制剤と除去食
何かおかしいと感じた


 アトピー専門外来ではオーリングテスト(※1)など数種の検査を受け、幸いにも珠菜ちゃんに食物アレルギーは認められませんでした。しかし、まだ母乳育児の真っ最中だった真梨子さんに、医師は除去食をすすめたのです。
「今のところ赤ちゃんに食物アレルギーは見られませんが、念の為に母乳を与えているお母さんは除去食を実行して下さい、と先生に言われたんです。一応、いくつかの粉ミルクでもオーリングテストをやってみたんですが、どれも珠菜に合うものがなかったんです。ところが、実際に除去食をしようとすると、これが食べられないものばっかりなんですよ。食べていい食品といったら、芋類とうどんと米ぐらい。なのにご飯もたくさん食べちゃいけないって先生に言われたんです。こんなに偏食して体にいいはずないでしょう。何だか除去食の食生活って変じゃありません? 私はこの時、これって何かおかしいって思ったんですよ」
 アトピー外来へ通院するたび、珠菜ちゃんに処方される薬はリンデロンやキンダベートといったステロイド剤。それに加え、抗炎症剤や抗生物質の薬剤も途中から併用していました。免疫抑制剤のステロイド剤が体に良くないことは真梨子さんもよく知っていましたから、極力常用は避けるように心がけてはいましたが、やはり、火がついたように泣く珠菜ちゃんを見て、薬を塗らずにいることはできなかったようです。

自分を責め、産んだ後悔。
アトピー改善を模索した日々


 そして、痒さで泣く珠菜ちゃんを見るにつけ、一時はアトピーにしてしまったのがあたかも自分であるかのように自らを責め、防ぎたかったアトピーを妊娠中に防げなかったことへの後悔に真梨子さんは苦しみました。
「妊娠中はできるだけ安全な食品を選んで食べるように気をつけていたのに、どうしてこんなことになったんだろう…なんでアトピーなんかになってしまったの? 待望の女の子を授かって心から喜んでいたのに、こんな風にアトピーで苦しむなら、いっそ生まれてこなければよかったのに、とまで思いました」
 真梨子さんは少しでも珠菜ちゃんの症状が改善することを願って、ハウスダストの予防に掃除機や布団を買い替え、床もフローリングに張り替えたといいます。しかし、それでも珠菜ちゃんの症状に変化は見られませんでした。
「痒いものだから体中にかき傷ができていて、傷口からは体液が出てジュクジュクになってましたから珠菜の体にさわれない状況だったんです。あまりにかわいそうなので、体に悪いと分かっていても仕方なくステロイド剤を塗りました。寝る時は皮膚をかきやぶらないように手袋をはめたり、ベッドに手足を縛りつけたりしたこともありました」
 いたいけな我が子をベッドに縛りつける時の真梨子さんの切ない気持ちを思うと、胸がしめつけられるようです。
 専門医が処方したステロイド剤を塗っても、当然のことながら一時的な効果は見られますが根本的なアトピー治療にはなりません。珠菜ちゃんの症状を見て、真梨子さんはもはや皮膚科医も信用できなくなっていました。そんな時、ふと思い出したのが以前雑誌を切り抜いてストックしていたアトピー治療の記事です。

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