写真ではわかりにくいが、手首や指先に小さな発疹が出ている。睡眠が取れていないせいかも。かゆみや炎症はなくなったが、肌の色はまだ不自然に黄色みを帯びている。

かゆくもないのに
なぜ眠れないのか


 眠れないなら無理に眠らなくていい。そう居直った関口さんは、読書やビデオ、ゲームなどで適当に夜更かしし、夜中の2時過ぎに就寝。それでも、眠気が差すのは明け方ですから、起床は10時、11時です。  すでにアトピーには見えず、昼間はあちこち遊びに出掛けているのに、昼近くまで寝ている息子。こうなると、ご家族が何か言いたくなるのは当然かも。 「早く起きろとか、いつまで寝てるんだ、治ってるんだから働きにいけとかって。こっちも言い返す余裕ができてましたし、説明すれば一応納得はするんです。だけど、朝10時とか11時に起きてくるのが、どうしても気にくわないらしくて(笑い)、またブーブー言い始めるんですよ」  カウンセラーからのアドバイスで、日光を浴びて体内の睡眠リズムの調整を試みます。散歩の時間を延ばし、1日3回だった湯治回数を4回に。それでも努力の成果はなかなか現れてくれません。湯治開始から1年が過ぎた98年の春には、「もう眠れない苦しみだけでしたね」。  夏が近づくにつれて、眠れない焦りはいよいよ募ります。傷病手当が支給されるのは1年半。それまでには、何とかして働ける生活リズムをつくっておかなければならないからです。 「このままだと普通の生活ができないんじゃないか、夜やれる仕事しかできないんじゃないかって、本気で思いました」

自己管理を学ぶのも
湯治の目標の一つ


 就職を意識して体力づくりも強化。バレーボールの他にジョギングを取り入れ、湯治時間も延ばします。睡眠が十分にとれていない状態で、徹底して体をいじめた結果は、やはり逆効果でした。 「背中にも顔にも首にもちょっと出て、ショックでした。で、また30分を3回に戻して、運動を控えて、体を休ませるようにしたんです。そしたら1カ月で良くなりましたけど」  カウンセラーには事後報告。この頃には、報告書もあまり提出されていませんでした。 「自主的に体力づくりにまい進しちゃったんでしょうね(笑い)。私が聞いたときはもう自分で立て直してましたから、自己管理が上手にできていたと感じました」(奥田カウンセラー)  体験を通して自己管理を学ぶのも、自宅温泉湯治の目標の一つ。とするならば、これは「卒業」までに通るべき道だったのでしょう。  1年かかって少しずつ早くなってきた就寝時間が、夜中の1時前後まで戻ったのは98年の秋。3時間ごとに目が覚めてしまうのは、まだ完全ではない証拠ですが、睡眠時間はたっぷり8時間。ここまでくれば働く自信も出てきます。温泉も1ケースに減りました。


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