4月に泊まり込みの仕事が続いたときには一時首周りがかさついたが、ここ半年はほぼ安定した状態が続いている。この夏、入浴剤も卒業して普通の風呂に。

家族がそろった夏休みは
ストレスの溜まり場


食事制限は一切せず、飲みたいときはビールも飲んでいた彰さんでしたが、湯治開始から夏までの間に5、6キロも体重が減っていました。毎日何時間もおふろに入り、かけるだけ汗をかくわけですから、体力の消耗は大変なものです。
「大して運動もしてないのにおなかがすごくすいて、3食きっちり食べてるのに、散歩の途中でコッソリそば屋へ寄ってそば食べてみたり。1日4食なんてこともありました」
いつもにぎやかな鈴木家が、特に騒然としていたのは平成7年の夏です。3人が湯治に専念しているうえ、1年生の大和くんも夏休みに。
「一日中お父さんが家にいて、ささいなことまで注意しちゃうから、聞いてる私の方もイライラしてきて、『そこまで言わなくてもいいのに!』なんて怒ってみたり」(昌子さん)
普段家にいない分、子どもたちのいろんな面が目についてしまうのでしょうか。体調からくる精神的な余裕のなさも影響していたかもしれません。
湯治に専念していた人が、完全ではない状態で仕事に復帰する場合は、かなりの注意が必要です。いきなり生活パターンを変えて心身ともに負担をかけると、状態が急に落ち込むことがあるからです。彰さんはカウンセラーと相談して9月に復職の目標を立て、この夏はそのための下準備期間に。トータルの湯治時間は減らさずに、起床、就寝の時間を勤務に合わせ、あとは体力づくりです。

回復後の復職は
フレックス制を活用


ちょうど良いことに、彰さんの会社は数年前からフレックスタイム制を導入していました。午前11から午後3時までのコアタイム以外は、仕事の状況を見ながら勤務時間を自分で調整できるのです。彰さんはこれをフルに活用して、朝おふろに入ってから出社したり、体調によって退社時間を調整したりしながら、徐々に本来のペースに戻していきました。
その甲斐あって復職後に大きく症状が落ち込むこともなく、順調に経過していきました。肌に出た「警告信号」を見逃さず、自分で対応できていたからでしょう。寝ているうちに掻いたりすることはあっても、かゆみで目が覚めることはなくなり、ひじやひざの内側に出ていた発疹やカサツキも、いつの間にかなくなっていたそうです。
「かゆみのない生活がこんなに素晴らしいものかって思いますね。小さいときからあちこちかゆくて、ボリボリボリボリ掻いてましたから」(彰さん)
昌子さんが書いていた報告書にも、『当たり前が一番いい。当たり前に生活できることに感謝しなくちゃ』という言葉が何度も出てきました。「かゆみのない当たり前の生活」を家族みんなで手に入れた鈴木さんご一家。ますます明るく楽しいホームドラマが展開していくことでしょう。