仕事に復帰して1ヵ月。顔と首を中心に真っ赤になる。仕事で無理を重ねているのに、出た症状をどうにかしようと体調無視の湯治をしすぎていた。

完璧主義。湯治を始めると
義務感でいっぱいに


藤沢のクリニックで診察。ヘルペスの症状と体の状態を考えて、ゾビラックス(抗ウイルス剤・アシクロビル)でヘルペスをまず退治。そして本格的に湯治を始めることになりました。

最初は100%の温泉に1回15分から。「15分だけなのに意外としんどいものやなぁ」との印象だったそうです。

温泉に慣れると45分を日に3回続けるように。ただ温泉に入りさえすれば、入った時間が多ければ多いほど克服が早まると考えていた洋子さんは、どれほど体が辛くても時間と回数を守って黙々と湯治をこなしていきます。それはただの義務でした。

3ヵ月ほどして、症例写真ではかなり状態も落ち着いて見えるのですが、本人にはいい体の変化・自覚はありませんでした。湯治を苦痛な義務とだけ見ているため、微妙な体の変化に喜ぶ余裕はなかったのです。

思春期から、人とのつきあいは表面的なものでしかなかった洋子さんにとって、カウンセラーもやはり他人。自分から心を開こうとしない分、体の辛さを訴えることも、精神的なフォローを望むこともままならなかったのだとか。いい成績をとりにいった学生時代のように、我慢して努力を続けることでしか成果は得られないと決め込んでいたのでしょう。それでも診断書をもらう ことも兼ねて1ヵ月に1度はカウンセリングで藤沢へと通います。

湯治開始から5ヵ月ほどで、カウンセラーからそろそろ社会復帰をとのアドバイスを受けることになりました。万全な体調かどうかを実感として得られていないままに受けた提案。フルタイム復帰に向けて、出社時間に合わせた生活シミュレーションを真面目にこなし、平成6年ゴールデンウィーク開けには実際復職を果たしています。
「かゆみはまだまだありましたが、ピーク時よりはましでしたから、体よりも頭で考えて、もう半年も経っているし復職すべきと、これも義務でした」

長く休んでいた後ろめたさから、たまっていた仕事もこなさなくてはと無理を重ねることに。顔と首が真っ赤になって警告を出していても、体調がすこぶる悪くても……。
「上司ともあまりうまくいっていない職場環境で、家の居心地も悪い、体は辛いしストレスだらけ。なんで、なんでこんな風になるの?って、じゃぁ、どうしたらいいの?って考えても堂堂巡りにしかなりませんでした。活動を広げると、多少症状に出るのは当然だろうと、どこまでが当然の域かを見過ごして頑張ってしまうんです。カウンセラーに辛さをぶちまけたこともありましたが、何かいい答えを求めてはいなかったし、だから改善すべき点なども見いだせませんでした」


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