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一度でも多く 感動の涙を流したい 体調のコントロールを覚えたと同時に、仕事の段取りも先を見て考えられるようになったと喜ぶ照井さん。「性格も変わったかも知れない。何か嫌なことがあっても、笑って済ませられる感じですよ」。 よく本を読む習慣も、湯治中に得たものの一つ。おふろに入りながら読んだ本の中にも、たくさんの出合いがあったようです。 「前は本なんて嫌いだったんですよ(笑い)」 以前は、行動派で家にじっとしていることが少なかった照井さんが、おふろに入っている時間をつぶすため、いつの間にか図書館通いをするようになっていたのです。つらい難病を乗り越えた人の自伝や、それを支えた家族が書いた本、そして、年ごろらしくファッションやメークの本も。 「治ってくると、不思議と選ぶ本が変わってくるんです。まだ化粧もできないうちに、季節ごとに出るメークの本を買ってきて、治ったらこうしよう、ああしよう、眉毛描くのも練習しなきゃって」と、独りぽっちの湯治中にも新たなる楽しみを見つけてしまったようです。 一番つらかった時期に何度も読み返した本は、かつて甲子園で活躍した清水哲さんの『桑田よ清原よ生きる勇気をありがとう』(ごま書房)。大学時代に公式戦で試みたヘッドスライディングで首を骨折、首から下が麻痺して寝たきりの生活を余儀なくされた清水さんが、口に鉛筆をくわえてワープロのキーボードを打ち、著した本です。 「桑田や清原と一緒にPL学園の寮にいたときのたわいない話も出てて、「涙」という詩が最後に出てるんですけど、これが泣けるんです」 読みながら久しぶりに笑っている自分に気がついたり、前向きな気持ちにさせてくれたすばらしい本との出合い。照井さんが、その詩の中にある「感動の涙」を流すのは、ウェディングドレスに身を包む時でしょうか。 |