「卒業」の日。何カ月も前から状態が安定しているのは、朝晩の入浴や健康的な生活習慣のたまもの。ツルツルになった手足は冬でもポカポカ温かい

お友達も妹も一緒に
プール感覚のお風呂


一方、愛美ちゃんは、部分的な軽い炎症が出たり退いたりの湯治後半へ。離脱や感染症に怯える段階は過ぎましたが、1日3回のトピュア入浴は欠かしません。食事も睡眠もおろそかにせず、治すための生活を続けます。
「幼稚園から帰ってきてお友達と遊びたがっても、『お風呂が終わったらね』って言い聞かせてましたし、お友達がお菓子食べてるのを見て『かゆいのが治ったら、あれ食べていい?』とか、『これ食べるとかゆくなっちゃうの?』とかってよく聞いてましたね」(紀代美さん)
 遊びよりも湯治を優先し、食べたいお菓子も我慢して、アトピーと闘ってきた愛美ちゃん。そんな努力の甲斐あって、開始から1年半が過ぎた99年の夏には湯治も仕上げの段階に入っていました。
「去年の夏はほとんどかゆがらなくなってましたね。怒られたり、都合が悪くなるとかゆいだけ(笑)」(浩信さん)
 昼下がりのお風呂は、お友達も一緒にプール感覚で大騒ぎ。朝晩は祐奈ちゃんと遊びながら、退屈知らずのお風呂です。ときには1時間以上も汗だくで入っている二人に、ママが氷を差し入れてくれました。
 夜8時過ぎには布団に入り、睡眠時間は1日平均10時間半。途中でかゆがることもなく、朝7時までぐっすりです。食べられないものはお蕎麦だけ。好き嫌いなく何でも食べて、飲み水にもこだわる徹底ぶりです。
水はやっぱり豊泉水
違いのわかる5歳児


「水はごまかしが効かなくて(苦笑)。『この水おいしくない』とか『温泉の水じゃなきゃイヤ』とかって言うんですよ」(紀代美さん)
 湯治を始めたときから、戸田家の飲み水は豊泉水に。旅行や遊びに行くときも、必ず持参しているそうです。
「オムバスに出合わなかったら、結局はステロイドを塗り続けながら生活していたかもしれない。そう考えると、本当に温泉湯治をやって良かったと思います。じんましんは全然出なくなりましたし、うちはみんな丈夫なんですよ」(浩信さん)
 ご家族の健康を支えているのは、根本にあるものの考え方。目には見えないけれど、湯治前とは大きく変わったことの一つです。
「アトピーも温泉湯治も知らないで過ごしてたら、化学調味料のこともわからなかっただろうし、環境ホルモンとかダイオキシンの問題にも関心がなかったと思います。ステロイドのことも身をもって体験したので、友達が子どもに塗ろうとしてるときに、良くないよって教えてあげられます」(紀代美さん)
 かゆみなしの体と健康な生活、一生懸命頑張ること、そして思いやりの心。湯治の主役だった愛美ちゃんの中にも、目に見えない大切なものが育まれています。

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