かゆみを忘れて数カ月。顔も体もすっかり滑らかになって「卒業」へ。お尻と膝下に薄い色素沈着が残っているが、完全に消えるのも時間の問題。

お母さん、もう
ここまで来てるよ


 新陳代謝を高めるのが湯治なら、皮膚を修復する素材は栄養です。立子さんは食事の面でも克服を強力に後押しします。
「ゴマとかイワシとか、皮膚に良いものを入れて三度三度。本を見て、皮膚の素になるコラーゲンが摂れる食事をつくりました」
 もともと食物アレルギーはなく、食欲もあった朝美さん。1日3食しっかり食べたうえで、おなかが空けばチャンスとばかりに間食も。治すための湯治、治すための食事、治すための生活。この努力が、かたちにならないはずはありません。
「もうここまで来てるよ、お母さん」。経過写真を見ながら、朝美さんからそんな言葉が出たのは98年の夏。1日1日の変化は目に見えなくても、半年前、1年前の写真を見れば回復は歴然です。
「最初の3カ月は長く感じたけど、出掛けたり遊びにいけるようになると、普通の生活と変わらないから、それほど気にならなくなってましたね」(朝美さん)
 湯治時間を減らしたのは1年たった頃。その後も1日4時間をキープし、さらに状態を安定させていきます。
「以前はアルバイトも、なるべく人と会わないで済むような仕事しか選んだことがなかったんですけど、ちょっとやってみようかなと思って、変われるかなと思って」(朝美さん)
 湯治中に始めたアルバイトはレストランのウェートレス。朝美さんにとっては、自分を変えるための挑戦だったといいます。

薬に頼らない生活は
心にも良いみたい!?


「バイトのおかげで大分馴れたみたい。一応やってみて、できなかったら辞めようと思ってたんですけど、なんだかんだ言って1年過ぎてますね(笑い)」(朝美さん)
 98年の12月にアルバイトを始めて以来、湯治は1日1〜2時間に。昼間は家業を手伝い、勤務時間は夜7時から11時過ぎまで。夜働きたいというのは朝美さんの希望でした。事前に相談を受けたとき、カウンセラーは反対しています。
「夜は12時前に寝て、規則正しい生活を目指していただくところですけど、言っても聞かない(苦笑)。ただ、体調を自分でコントロールしているようですし、バイトが楽しいという精神面のプラスがありましたから、結果的には良かったですね」(松澤カウンセラー)
 99年7月に温泉は入浴剤トピュアへ。あとは卒業を待つばかりです。
「ちょっと疲れたかなと思ったら昼寝したりしますし、薬は一切使ってないです。風邪ひいて39度出たときも、食べて寝てるだけで治りました」(朝美さん)
 湯治中、朝美さんにパワーをくれた人がもう一人いました。それは、98年3月に誕生した甥の隆久くん。妹・美由紀さんの初めてのお子さんです。
「可愛いですねぇ。宝です」と、とろけそうな表情の朝美さん。「早く治して一緒に遊びたかった。それもあって、早く回復できた気がします」。
 この号が発行される頃には、美由紀さんに次のお子さんが生まれているはず。「楽しみ!」と顔を輝かせる朝美さん。湯治前と180度変わったのは、肌だけではなかったよう。体質も生活も性格も(?)、変わろうと思えば自分で変えられるんですね。

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