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さらに1週間で症状がドンッと現れる。赤みがきつくなり、滲出液の分泌がますます激しくなった。顔のかゆさを叩いて凌いでしまっていた。 |
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最悪の高2時代 友人の優しさが救い 朝30分間湯治をしてから登校し、帰宅後1時間、夜1時間、これが安本さんの湯治スケジュールでした。状態が芳しくないと察したときは、帰宅後の湯治を30分プラスしたり、自分でコントロールしながら取り組んでいました。 3カ月後、ヘルペスのような感染症に見舞われます。中学の頃のヘルペスよりも軽度でしたが、「痛い」「気持ち悪い」は同じでした。 「ステロイド使用による副作用の一つには感染症誘発があります。副作用プラス諸々の生理作用で潜伏しているものが活動します。温泉の非特異的変調作用も考慮して、無理しすぎないながらも地道な湯治が必要です」(横山カウンセラー) 温泉水を染み込ませたタオルを学校に持参し、顔に当てて凌ぐ安本さん。級友たちは、症状が現れていようと普段通 り接しています。聞きたくない言葉は一言も彼らの口から発せられませんでした。逆に、気遣いの方が多く感じられる、そんな日々でした。少し心配はあったものの、「行きたい」気持ちが先行した修学旅行も、周囲の自然な心遣いが手伝って、楽しい思い出として胸に刻まれたようです。 本格的な離脱期が訪れたのは、湯治開始からなんと半年も経ってから。覚悟はしていたといっても、いつ訪れるか分からなかった離脱に直面 し、「おっ! ついに来たか」と「落ち込む気持ち」が同居します。 目を開けようとしてもまぶたがつっぱって開かず、顔じゅう滲出液でベタベタ。掻いた指先からはいつも膿みと血の匂いがしていました。強烈なかゆみが襲うのは、授業中とて例外ではありません。掻けば汁が吹き出て、後に痛くなります。でも我慢しようのないかゆさ。安本さんは、バンバン顔を叩いていました。 「ステロイドには強い血管収縮作用があります。血液循環不全を引き起こすことで、何らかの代謝障害や眼圧亢進が目に出現するのでしょう。叩くことにより網膜剥離になる可能性が高まりますから、気をつけていただきたい重要な点です」(横山カウンセラー) ところで、安本さんは、アトピーの辛さに逃げないと、確固とした意志を持っていたよう。「湯治に時間を費やすので勉強ができない」といった逃げ口上を決して口にすることはありませんでした。勉強は、夜中に集中させています。終わって布団に入ると、決まってかゆみが全身を襲い、眠いのに寝られないイライラ状態に。見かねたお母さんが、寝ずの番をして、優しく掻いてくださったとか。そして早起きをして湯治。このサイクルはかなり無茶だったのかもしれません。 「朝の湯治では、よく単語帳や参考書を湯船に落としていました」 辛かった離脱は2カ月間続きました。頬骨を境にして、上だけ真っ赤だった顔の色が退き、目が普通 に開けられるようになると、少しずつ安本さん本来の顔が戻ってきました。腕や背中の炎症も肌のザラつきといった感じになっています。先生も友達も、皆が「良くなった」と声に出して言ってくれる機会が増え、顔の特徴(?)だった額の深いシワも薄れています。 かゆみは離脱後もしつこく残りますが、もうあれほど「どうしようもない」かゆみではありません。 |